# 水無月交流戦について 作成者 : 渡辺賢 (平成27年度名古屋工業大学将棋部部長・水無月交流戦考案者) 作成日 : 2017/5/29 更新日 : 2017/5/30 渡辺(当時の理事長岩城善伸氏の意見を取り込んだ) ## 背景 2015年5月中部学生将棋連盟春季個人戦・団体戦が終了した頃、 ある短文投稿型SNSで、棋力を気にして大会参加を遠慮している初心者や、 団体戦に出られない部員に対して何かモチベーションを向上させる方法はないかという議論が行われた。 他大学の話を聞く限り、大会に出る程棋力が無い層が一定数いるが、 そういった人は入部して数ヶ月経つと辞めてしまうことが多く、 何とか引き留めるための手を考えていたそうだ。 名古屋工業大学としても、棋力を気にして大会参加を遠慮している級位者や、 日本の伝統芸能を学びたいと部に来てくれたブラジル人留学生が居たので、 是非名古屋にある大学で、初心者〜級位者層が主役、 勝ち負けより他大と交流を図ることを目的とした大会をやろうということになった。 仲間を集めるべく声を掛ける過程で、当時の中部学生将棋連盟の理事長に仲介を依頼したところ、 中部学生将棋連盟主催の大会として開催して頂けることになり、 交通費補助は出ないが中部地区の大会として開催される運びとなった。 ## 大会 クラス分けをするにはかなり多くの人数が必要になるため、ハンデとして駒落ちを用いた形式を採用。 また、勝敗よりも交流が主目的であるため、途中参加や抜け、 初心者には1度だけ待ったを許容するという比較的ゆるいルールで行われた。 初企画で60人という十分な参加者数を得ることもでき、 決勝戦が二枚落ちという通常の大会ではあり得ない展開に大いに盛り上がった。 大会終了後にはその場に残った人間(といっても2大学だけだったが)で飲み会も行われ、 将棋については勿論、学業や好きな酒、部の運営についてまで激論が交わされた。 ## ルール(2015年当時・名大将棋部日記「水無月交流戦(I城)」より引用) スイス式で持ち時間15分30秒。同大学どうしの対戦は極力回避 将棋ウォーズの段級(10分・弾丸・10秒のうち一番高いものを自己申告)に基づき、以下の駒落ちを導入する。 0〜2差…平手 3差…角 4差…飛 5〜6差…2枚 7以上差…4枚 + 初心者の場合は相手の棋力に関わらず一律6枚落ち。 + 〈初心者特例〉故意でない反則や時間切れおよび、一手で大差になってしまったと上手が判断した場合、一度限りそれが起こる直前の局面に戻すことができる(相手の合意が必要) ### 渡辺追記 後づけのルールとして以下の物が出現した。 + 途中参加、途中退出可(参加していない局は不戦敗扱い) + 参加者は大学生に限らない(OBが途中参戦) + 高段者対初心者は8枚落ち ## 結果 当時の初心者枠は5人。 その中で同じ年の春季個人戦に参加していた人は1人もおらず、 この大会以降5人中3人が継続して中部学生将棋連盟個人戦に参加していることを確認した。 この大会が決め手になったのかどうかは分からないが、 少なくともこの大会をきっかけにして中部学生将棋連盟の大会へ参加するようになった人間が、 3人いることは事実であろう。 ## 問題点(2015年当時) + 棋力の基準として将棋ウォーズの段級を採用したが、正確さに難が指摘された (とはいっても、現状最も普遍的であると当時の理事長は認識しており、渡辺自身も代案が思い浮かばない) + 交流戦なのに他大との交流が思ったより出来ていなかった (名工と名城の中心メンバーは二軒梯子するレベルで交流(?)したが、他大からの参加者が少なかった) (最も、「飲みに行く=交流」ではないのでどの程度求めれば良いのかも議論の余地はある) + 無難なハンデ設定にしたが、本当にこれが良いのかの議論が出来ていない (3段差角落ちは下手有利過ぎという意見もあり、両香落ちという代案が出ている) ## 展望 + スイス式に拘らず、申告棋力で分類した6人程度の総当たりリーグをやってみたい(当時の理事長談) + 他大との交流という意味では、大会終了後に全大学合同懇親会をやってみたい(渡辺)